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往生際

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Photograph by Yusuke Okada



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Photograph by Greg F., National Geographic Your Shot





https://kinarino.jp/cat6-ライフスタイル/32869-強く、美しく。流されずに自然体を貫いた先輩たちの<名言・格言>





・なにを書こうか、ずっと迷っていた。
 書きたいこともいくつかあったし、
 書かなきゃなぁということもあった。
 書いておこうということもあった。
 どこから書き出しても、どれもちょっと死の匂いがする。
 ものごとは、みんなそうなのかもしれない。
 誕生と記すだけで、その裏地に死の刺繍が入る。
 たのしかったと言えば、その終わりが入れ替わる。
 死なないつもりで生きていられる時間は、
 かなり能天気な人で、60年くらいは続くのかしらん。
 それはそれで、いいんじゃないかなと思う。

 いっそ、だれの話でもないことを書こう。
 人生100年時代に入っているとか言うけれど、
 これほど長生きの時代はいままでなかったわけで。
 歴史を遡れば、人生50年どころか、
 人生40年、30年という時代もあたりまえのようにあるし、
 15歳くらいまでしか生きなかった時代もあるようだ。

 仮に、いまを生きているぼくらが、
 人生が30年の時代にいると考えるようになったら、
 一年、一月、一日というものの時間感覚は、
 どんなふうにちがってくるのだろうか。
 ただの想像でしかないけれど、
 早いうちからなにか役に立つことをさせられるだろうし、
 じぶんからも家族のなかの役割を果たそうとするだろう。
 そして、いまよりもずっと若くして結婚して、
 何人かのこどもを持つことになるのだろうと思う。
 そして、こどもが勝手に走り回れるようになると、
 そろそろじぶんの死を意識するのではなかろうか。
 つまり、20歳からの10年ほどは、
 もう死を予感している時間だということになる。
 …そうかな、ぼくの想像だけかもしれないが、
 父も、祖父も30歳で死んだという世界に住んでいたら、
 じぶんの死期も、そんなふうに意識するだろうよ。
 なんだか、こどもでいる時間が短そうだなぁ。
 青年でいる時間もずいぶん短そうだ。
 そして大人でいる時間も、うん、やっぱり短そうだ。
 いまと、ものすごいちがいがあるなぁ。
 ぼくはもう、その時代の人の2周以上を生きてきている。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくは、いまも1000年生きるつもりで日々を過ごしてます。

by saku-saku-chika | 2018-10-31 17:18 | つぶやき